バスの運転手になりたい…

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昔は、子供たちのなりたい職業にあがっていた記憶があるバスの運転手。

昨年、そんな気持ちに自分がなる出来事があった。

12月27日朝、天気予報通りに降った雪が積もり、道路はアイスバーン状態になっていた。気温はもちろん麗華。

数センチ積もった雪道を歩き、バス停へと向かった。バスは、数分遅れで無事に来た。いつもより乗客は数名多かった。

いつもの定位置に座り少し安堵していたのもつかの間、渋滞にはまった。アイスバーン状態の登り坂で、上がれないでいるトラックが原因のようである。

10分ほど動かない状態が続いたため、バスの運転手はマイクで現在の状況を上客へ説明し、これから本社へ連絡するために携帯電話を使用することの理解を求めた。

少しずつではあるがバスは進んだ。渋滞から30分ほど経った頃、バスから3台前のトラックが原因とわかる位置まで来た。

急坂のため、バスも発車の度にタイヤがスリップする音が聞こえるが、上手なアクセルコントロールでトラクションを得ながら上る。一度もエンストすることなく…。

バスの運転手はサイドブレーキを強く引き、バスの左前方の扉を開けっぱなしで、降りて行った。

滑り止めの砂が置いてある箱へ向かい、砂を道路へ撒いた。その後、動けないでいるトラックへ向かい、トラックの運転手にチェーンの装着を指示したようであった。

その後、5分ほど経ったであろうか。トラックが動き出し、バスの運転手も戻って来て、左前方の扉も閉ざされた。

運転手は、渋滞解消と発車を説明し、急いで発車した。この時点で定刻より40分ほど遅れたバスであったが、その後のバス停には高校生達たちが待っていた。

その姿を見て、自分は急に恥ずかしくなった。

次のバス停でも、その次のバス停でも、いつもの高校生たちは待っていた。いつ来るかもわからないバスを…。

自分が降りるバス停がアナウンスされ、停車ボタンを押した。バスの到着が遅れたことへのお詫びがマイクから聞こえてきた。

自分は我慢していた涙が止まらなくなった…。手袋で涙を拭いながらバスを降りる準備をした。

バスカードを通しながら、運転手さんに「有り難うございました。」と感謝を伝えたが、涙声になっていた…。

今回の運転手さんのとった行動が、バスの運行上は正しいのか私にはわからないが、プロフェッショナルとは何なのかをまざまざと見せつけられた思いがした。

今年こそ、有言実行となれば…